知人の話を聞いていると、ほとんどの人が警察(官)に対して良いイメージを抱いていないということに気付く。
自分も現職の頃は先輩に「警察官は市民の7割に嫌われる」と言われたものだ。
普通に暮らしていれば、警察を頼ることはあっても警察から咎められることはないのでは?
警察のマイナスイメージはどこから来るのだろうか?
ネズミ取りに捕まったから?
それは法を守らなかった貴方が悪いのであって、ただの逆恨みでは?
善良な市民なのに職質されたから?
犯罪を未然に防ぐには必要なことで、無罪なら堂々としていればいいのでは?
勘違いされないように言っておくと、このような考え方は、警察官になる以前から持っていて、辞めた後も変わっていない。
ネズミ捕りも職質も、逆に一度ぐらいは経験してみたいものである。人生経験として。
と言っても意図的に法に触れるような行為をしようとは思わないが、法を破っても捕まらない方が治安的にまずいのではなかろうか?
汚職・不祥事によるイメージ低下なら、「警察官だって人間で、聖人君子じゃない」と思っているから「警察に限らなくない?」という感じ。
ちなみに、いつも利用している美容室の店長(年上)とこんな話をした。
「最近教習所に通い始めたんですよ」
「あれ?初めて免許を取るんですか?」
「いや、免取を食らったんで」
「え…何したんですか」
「酒で…」
「あっ…(察し)」
「いやでも、あの時捕まって良かったですよ」
「そうですね、あれで事故を起こしたら人生終わりですもんね」
事件・事故が起きた後に捕まるのは、その責任を負うためなので当然として、
事件・事故が起きる前に捕まるのは、その責任を負わずに済んだと前向きに考えて欲しい。
単なる飲酒運転なら免取を食らうだけだけど、
飲酒運転で事故を起こしたら、人や物を傷付けた挙句にその場で現行犯逮捕(もちろん免取も付く)だからね?
あくまでも善意で、というか市民の治安を守る使命として取り締まっているのだ。
某氏が職質に徹底的に抵抗して「違法な職質を受けた」として裁判まで起こした話を聞いた時は、「暇人だなぁ」と感じた。
無実でも、執拗に所持品の開示を拒んだら犯罪者だと疑われるだろうことは、少し考えれば誰でも分かることだろうに。
犯罪者は確実に警察に関わられるのを嫌がるのだから。
「無実だ(と自分は自分を信じている)から開示する必要はない」は通じなくて、
「第三者から見ても無実だと証明するために開示しろ」ということ。
「警察は偉そうだから気に食わない」という意見も分からなくはない。
でもそれはよく考えれば当たり前のことで、仮に「俺が何をしたと言うんだ!」と食って掛かって「すいません」と素直に引き下がる警察官ばかりだったら、警察自体がナメられて犯罪抑止力を失うことは想像に難くない。
追い詰められた犯人は、基本的に攻撃的であるからだ。
要は、「コラテラル・ダメージだから我慢してくれ」ということ。
前述の話だって、やましいことがないなら、警察官の言うことに素直に応じていれば10分も掛からずに解放されたはずだ。
この手の話を聞くたびに、「日本は平和だな」って思うね。
「不当に疑われた」
「担当の警察官にぞんざいな扱いをされた」
「なんか偉そう」
程度のことで騒ぐのは、犯罪の予防よりも重要なことなのか?