Noihの日記

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帰省の理由

「帰省する理由」で軽くググったら、いろんな事例が出てきた。

 

>親が好きで会いたいから

>親孝行になると思うから

>たまには顔を見せないといけない、という義務感から

>行事(墓参りなど)のため

>別の目的(買い出しなど)のついでに

 

帰省する側(息子・娘側)の意見が出てくる一方、親側の

 

>「来客用の布団などを用意するのが面倒臭い」

>「そんなことより仕事(または学業)に専念しろ」

>実家で介護等をしていて、子供連れで帰ると迷惑をかけるだけだから

 

という理由で親側が拒否することパターンもあるらしい。

上2つは流石にとても親とは思えない発言と思うけど。

 

自分も帰省してて今日帰ってきたんだけど、帰省した理由は

>たまには顔を見せないといけない、という義務感から

だ。

そもそも積極的に帰省する理由がない。

帰省したくない理由を上げる方が簡単なほどに。

 

母の性格の嫌いなところを反面教師にしたので性格も正反対だし、趣味も嗜好も合わない。

だから一緒に居ても話すことが無い。

歳が倍ぐらい違うので自分の興味のあることを説明したところで理解されるはずもないし、理解してもらおうと思ったこともない。

祖母宅の居心地も大体同じ。

叔父叔母ともそんなに仲が良い訳じゃない。

 

実家は一軒家なので、集合住宅より冷えやすい。冬は外より寒い。

地元の友達とはとっくに疎遠になっているので、会いたい人も居ない。

ゲームで暇を潰すにしても、ゲームは基本的に一人でやるものなので、他に人がいると気が散ってやる気が出ない。

片道5,6時間かけて帰ったところで、結局ほとんど外出もせずゴロゴロしているだけ。

 

家事の一切をやらなくていいのが唯一の利点だけど、それと引き換えに

「○時には風呂に入りなさいよ」「○時には寝なさいよ」

「いい加減次の仕事を探しなさいよ(これは仰る通り)」

「早く結婚相手を探してくれ」

などの小言が鬱陶しい。

親側にはメリットがあっても、俺のメリットがほぼ無いんだよな。

一人分の家事なんてたかが知れてるし、親に任せて怠けたいほどの大事でもない。

未だに(多分「少しでも力になりたい」という思いで)お小遣いをくれたりするけど、欲しいのは金じゃないんだなー。

 

妹は母にそっくりで、芸能や買い物が好きだから話も合うし、たまに一緒に旅行に行ってるらしい。

もう妹が全部面倒を見てくれんかな。

俺要らないでしょ。

 

>親が好きで会いたいから

と答えた人は、さぞかし両親から愛情を注がれて育ったのだろう。

皮肉抜きに、理想的な家庭だったのだろう。

でも、我が家はそうではなかった。

母は当時はそれが子供のためになると固く信じて躾・習い事・塾などの教育を施したんだろうけど、俺にとってはそうではなかった。

母は昔から過干渉というか過保護で、今でも何かにつけて口を出し、「放任する」「子供を信じて任せる」という選択をしない。いい加減「子離れ」してくれ。

口癖は「それはダメ」。基本的に命令形。

酷く怒られた記憶はいくらでもあるけど、褒められて嬉しかった記憶や楽しかった思い出はほとんど無い。

俺は昔からそれが窮屈で仕方なくて、大学進学による一人暮らしでやっと抑圧された生活から解放された訳だ。

だから、俺にとって「実家に帰る」というのは、外を自由に飛んでいる鳥がわざわざ鳥籠に戻るような馬鹿げた行為なんだ。

 

母は実家に1人で住んでいる。元は4人で住んでいた家に1人なら寂しいことだろう。

俺がそれを察しているのを利用しているのかしていないのか分からないけど、早く帰りたがると「もう帰るの?」という顔をするし、それで「寂しがる親を置いて帰るのは息子としてどうなのか」という思いと「早く自由になりたい」という思いで葛藤するから毎年気が重いんだよね。

 

子供の行動理念や人生観というのは、物心ついてからの周りの影響ももちろんあるだろうけど、根本的なところは親に植え付けられるものだと思う。

仮に「息子(または娘)が恩を仇で返す」と嘆いている親がいるとしたら、「それは単純に子供の教育方針が間違っていたんじゃないですか?」としか言えない。

結婚観についても同じ。

物心付いた頃から両親の仲が悪く家庭内別居状態で、父が食卓にも学校行事にも居ないのが当たり前であった子供が、結婚に対して幸せなイメージを持つのは無理があろう。

母は父が居ない理由を説明しなかったが、幼いながら察してはいた。

離婚後に父は正式に別居し、そしていつの間にか孤独死した。

「結婚しても幸せになるとは限らない」

「結婚して子供を授かっても、子供の人生に関わることなくひっそりと死ぬ」

という事実を見せつけられたら、憧れる訳ないよな。

父が子供に遺したものは、使い道がなくて貯まっていた金だけだった。

 

母が「結婚相手を探しなさいよ」と言うたびに「アンタのせいだろ」と言いたくなるのを堪える日々です。

多分言ったら泣き崩れるだろうから。