VRChatにハマる前、これは3Dアバターの付いた単なるボイスチャットツールだと思っていた。
だが、実情は違った。
ネット上の人間関係と言うのは、ほとんどの人が敢えて厳しいことを言わないので「優しく」、心が弱っている人にとって都合がいい場所である。
VRChatというサービスが始まる前からでも、SNSなどのコミュニティがそれを務めていた。
しかしVRChatというのは、3Dアバターという(人工の)姿があり、本人の声も(加工しているかも知れないが)聞こえ、しかも人によってはファントムセンス(実際に触られたかのように感じること)を持つという点で、リアリティが従来のSNSとは一線を画す。
故に中毒性が高く、VRの世界が現実であるかのように過ごしている人が多いように見受けられる。
その証拠がパートナーとかいう文化だ。
VRChatのプレイヤーの男女比は、従来のSNSと違わず男性の方が圧倒的に多い。
VRChat内で見るカップル(と言っていいのか?)の大半は、リアル男性同士の組である。
彼らの行動・言動を見ると、お互いにリアル男性であることを承知していてパートナーとなり、実際に会いに行ってもいるようである。
実際に会ってリアル男性同士だと実感しても、その関係は変わらない(幻滅しない)らしい。
え、お前らそれでいいのか…
現実の異性を差し置いてVR内で同性とイチャイチャするのって、人としてどうなのか?
本人らが良ければそれでいいといえばそれでいいが、世間的には確実に白い目で見られるだろう。
RP(ロールプレイ、いわゆる演技)としてなら分かるが、どうも本気で依存している人が多いように見える。
仮にVR内であろうと相方がいれば精神的に心強いかも知れないが、VRは仮想であって現実ではないし、現実で欲しいものは現実でしか手に入らない。
というか、VRは現実ではなかなかできないことを擬似的に体験できる技術であって、あくまで現実の生活の質を豊かにするための娯楽であって、心の弱い人の現実逃避先ではないと思う。
一時的に逃避することはあっても、依存するべき環境ではない。
同性愛(と言っていいのか?)の是非は置いておくとして、もし「リアル男性でもいいから相方が欲しい」とでも言うのなら、その考え方こそ最早同性愛だ。
Twitterのタイムラインに「VRC内の三角関係で心が壊れました」というツイートが流れてきて、「古のMMORPGのサークラみたいだな」と思ったが、その当事者である3人がおそらく全員リアル男性なのがアレである。
いわゆるインターネット老人会の世代の人は「またか」程度で済むだろうが、最初に経験したSNSがコレでは、現実の生活が歪むのは確実だろう。
というか、思ったよりプレイヤーに若者が多すぎる…ハイスペックPCとVR機器が必要だから、年齢層が高めだと思っていたのに。
「画面の向こう側にいるのは人間である」と「相手は人間である」は等値ではない。
それが理解できない人はVRChatを利用するべきではない、とさえ思える。
パートナーという呼び方はむず痒いから、せめて「相棒」とでも呼べばいいのに…